

起立性調節障害(Orthostatic Dysregulation:OD)は、自律神経の働きが乱れることで、血圧や心拍数の調整がうまくいかず、特に朝や立ち上がったときに体調不良を起こす疾患です。
小学校高学年から中学生に多く見られ、思春期の急激な成長やストレス、生活リズムの乱れが発症の背景にあります。
ODの子どもたちは、以下のような症状を訴えることが多いです:
-朝起きられない、午前中に体調が悪い
-立ちくらみ、めまい、動悸
-頭痛、吐き気、倦怠感
-授業中にぐったりする、集中力が続かない
-午後や夕方になると比較的元気になる
これらの症状は外見からは分かりにくく、「怠けている」「やる気がない」と誤解されやすいため、本人の自己肯定感が下がりやすく、二次的に不登校や抑うつ傾向を引き起こすこともあります。
ODの子どもたちは、体調の波が激しく、特に午前中の登校や授業参加が困難になることが多いです。
そのため、以下のような学習上の課題が生じます:
-欠席や遅刻が多く、授業の進度についていけない
-体調不良による集中力の低下
-「できない自分」への自己否定感
-集団の中での学習が負担になる
こうした状況では、通常の一斉授業では対応が難しく、個別のペースに合わせた学習支援が必要です。
「まなびの森」では、起立性調節障害の子どもたちが安心して学べる環境づくりを大切にしています。
以下のような支援方針を取り入れることで、学びの継続と自己肯定感の回復を目指します。
1.柔軟な時間設定と通塾スタイル
午前中の体調不良に配慮し、午後や夕方以降の時間帯に授業を設定。振替制度も活用し、無理なく学習を継続できるようにします。
2.個別カリキュラムの設計
その日の体調や集中力に応じて、学習内容や量を調整。
短時間でも達成感を得られるよう、スモールステップでの指導を行います。
3.「できた」を積み重ねる声かけと支援
「今日はここまでできたね」「集中できたね」といった肯定的なフィードバックを重ねることで、自己効力感を育てます。
4.保護者との連携と情報共有
体調や生活リズムの変化を保護者と共有しながら、無理のない学習計画を立てます。
5.安心できる人間関係の構築
講師は、子どもの不安や緊張に寄り添いながら、信頼関係を築くことを重視します。
無理に話させず、沈黙も尊重する姿勢で接します。
起立性調節障害の子どもたちにとって、学びの場は「競争」や「評価」ではなく、「安心」と「回復」の場であるべきです。
「まなびの森」は、子どもたちが自分のペースで学び、自信を取り戻していくプロセスを、そっと支え続けます。
どうか一人で抱え込まず、ご相談ください。
まなびの森は、子どもたちの「今」と「これから」に、寄り添い続けます。