学習障害(限局性学習症)のお子さん

学習障害(限局性学習症)のお子さん

学習障害(限局性学習症)は発達障害の中の一つの症状ではありますが、学習においては他の発達障害とは区別して考えています。
学習障害のお子さんの中にも、ADHDやASDの症状が重なってある場合もありますが、学習障害のお子さんの場合は他の症状よりも、計算ができない、漢字が覚えられない、自力で文を読んでもなかなか理解できない、などの特に学習面での困難が強く表に出ていて、その他の面ではそれほど困難に思っていない場合が少なくありません。

 

それだけに、学習障害の傾向があっても、日常生活は他のお子さんとあまり変わらないので、ちょっと勉強が苦手なだけと言って、中学生くらいまで放っておかれていることも少なくありません。
ですが、少しでも計算が正しくできない、漢字が覚えられない、音読がスムーズにできない、などの状態が小学校3年生くらいになっても改善されない場合は、何らかの手立てをしなければ、まったく基礎の学力が身に付かないまま大人になることもあります。
(できれば、小学校2年生くらいには、何らかの手立てをすることをお勧めします)

 

残念ですが、学習障害のお子さんは、基礎学力が付かない限り、自力で学習を積み重ねて、その障害を克服していくことは難しいです。
ですから、誰かの手助けが必要になります。

 

学習障害のお子さんは、苦手なことに対しての記憶の仕方や理解の仕方が、普通のお子さんと違っていたり、見え方や受け止め方が違う場合もあります。
単純に学習障害と言っても、みんな同じ対応で良いわけでもないのです。
それだけに、個別で、この子にはどう言うように伝えれば理解できるのか?記憶に定着できるのか?と言う視点で、対応していかなければなりません。

 

正直言いまして、私の経験内では、週一回や二回の授業では学校の授業について行くのは無理です。
ですが、だからと言って塾に通うことが無駄だとは思っていません。
そのお子さんのペースでできることを積み重ねていくことで、行ける高校も出てきます。
また、学校の進度から遅れながらでも身につけた基礎学力は、社会に出て働く時の支えとなるものです。

 

学習障害だから勉強は諦めた、まったくさせる必要ないとしてしまったら、そのお子さんは大人になった時に本当に何もできない残念な人になってしまうでしょう。